彼女が帰る日が来てしまった。
朝から激しい雨。
渋滞などで仕事は遅れ気味だった。
間に合わせるのに必死だったので、感傷に浸る暇はなかった。
10分遅れで仕事を終わらせ、彼女を迎えに行く。
彼女は友達と過ごしていた。
自分が来るのに時間を合わせてくれていた。
彼女の友達は全員性格が良い人ばかりだ。
みんなして自分らを応援してくれている。
もちろん両方既婚なのも知っている。
それでも暖かく見守ってくれているし、時間だって二人の時間を最優先で考えてスケジュールを合わせてくれている。
彼女が来てくれたのはもちろんだけど、こうして二人を応援してくれる彼女の友達にも、自分は感謝しかない。
帰りの車中で彼女が涙を流す。
自分も泣いている。
悲しくて寂しいのは分かってる。
だから泣かないでとも言わない。
今回の再会で過ごす最後の時間。
思うがままの姿でいることが一番良いと思った。
一緒なのが自然だから。
何してても楽しい。
悲しい時だって楽しい。
泣いているときも楽しい。
お腹が空いたので空港で食事をとった。
食べ終わるころに、搭乗を即す案内があった。
慌てて席を立ち、搭乗口に向かう。
あっという間のお別れ。
ここでも感傷に浸る暇がなかった。
最後まで手を振って見送った。
飛行機を見送りたかったが、仕事で戻らないとダメだった。
帰りの車中で、この3日間の幸福を思い返す。
涙が出る。
嬉しくもあり、寂しくもある。
でもなんだかんだ言って、それら全部が楽しい。
色々な思いがあるから、楽しいのだ。
心の中でありがとうを繰り返しながら
流す涙をぬぐわずに車を走らせた。
ほんとうに楽しかった。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。