やっと会えた

サク

空港には迎えに行けなかったので、彼女の友達に迎えに行ってもらった。その後数名の彼女の友達と合流したようで、ランチしながら自分の到着を待っていてくれた。

やっと待ち合わせの場所に着いて、連絡すると友達共々お店から出て来た。

出会って直ぐの頃は、その友達の誰とも面識はなかったが、引っ越しや離れている間に引き合わせてもらって、今ではすっかり知った顔になっていた。

彼女の到来を喜ぶ友達が何人もいることは、いかに人望が厚いかを現している。

車を降りてそれぞれに挨拶を交わしたあと、彼女の荷物を車に載せ替えて出発する。

彼女を車に乗せると、毎日会っていたあの時の感覚がすぐさま戻ってくる。彼女が居るだけで空気が整う。

走り出すと彼女が手を差し伸べ、手をつなごうのサインを出す。もちろん即座に手を繋ぎそれに応える。

手を取った瞬間からエネルギー交換が始まるのが分かった。時間の感覚が変わっていくのが分かった。

どこから出ているのか分からないが、温かい体温と共にエネルギーが身体の中に入ってくる。

「そうそう。この感じ。」

絶対的な体感が以前と変わないことを感じ取ると、自然にそんな言葉を発していた。

「どこに行く?」

と、たずねると宿泊先へと返事が来た。

「少し時間早めだけど、大丈夫かな?」

多分大丈夫じゃない?と返事が来る。

「分かった」

返事をして宿泊先方面にハンドルを切った。

先ずは抱き合いたい。

この気持ちを察知し、急いで車を走らせていく。

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