ネット経由の出会いで、本当の年齢を打ち明けたのは初めてだった。
故郷に帰ってからネットで本名も年齢も経歴も全て伏せて、SNSもブログも全てハンドルネーム。本当の自分は誰にも明かさなかった。
それを伝えた理由は、それまでの会話で尋常じゃない噛み合い方をしていたし、なんだか分からないけど特別な関係性がありそうな直感があったからだ。
偽の情報で占っても意味を成さないから、本当の事を伝えた。
肝心な占いの結果は、繊細で感受性が強い。またふたりは方向性が同じで、似ている感覚を持っていると解説してくれた。
その時は正直「繊細」という言葉が引っかかった。「繊細」という語彙に、ひ弱な印象があったからだ。
そのことを彼女に話すと「それは違う、男らしさの刷り込みが強い」と指摘された。
言われてハッとした。
しばらく繊細という意味を深く考えた。
繊細である事はそれだけ情報量が多く、たくさんの事を処理していかなければならない。つまりタフじゃないと繊細なんてやってられない。繊細にか弱なところなど無い。むしろ自分が逆のイメージしか持ち合わせていなかっただけだと気付かされた。
確かに彼女の言うことが正しい。
素直にそう思えた。
彼女とはただ単に合うだけじゃない。
こうした気づきや学びが頻繁に起こる。
そしてその問題点や考え事が、さくさく解決し処理されていく。。。
価値観の大部分は似ていても、細かく違うところはもちろん有る。
でも大元が合っているから、違いが気にならないし、違いを素直に受け止められる。
素直に聞くと違いは学びに変わる。
これは単なる合うとかそういう次元じゃないと、思わざるを得なかった。自分にとって必要な人物なんだと気付かされた。
彼女と会う約束は1週間先にしていた。
それまで間延びするかも?と不安に思ったが、それどころかどんどん関わりが深くなる。
持て余すどころか、どんどん好意が大きくなっていった。
余りに合うので、少し怖くも感じた。
会う時にセックスしようと言っていたからだ。
自分のブログも見せていたし、きっと彼女はそれ相応の期待をしてくるはずだ。
それなのに全然ダメだったらどうしょう。
仲良く話す裏側で、いつになく緊張している自分を感じながら、待ち合わせの日を指折り数えた。
もの凄く会いたい。反面、これでダメになったらどうしようと。
会う前にもう好きになっていた。