引っ越し前日

サク

仕事は休みだったが早めに目が覚めた。

夢の中に彼女が出てきた。
どんな話をしたのかは覚えていない。

ふと枕見ると濡れている。。。
目を擦ると水分が手に。。。

泣きながら目覚めたのだ。
こんなことは人生で初めて。

気分は軽やかなハズはない。
重くやるせない。

昨晩の夢のひとときの反動もある。

何より彼女がこの地を離れる悲しみが、全身を重たくしていた。

起床したらLINEでおはようと挨拶をする。
この日ももちろん挨拶をした。
そして朝泣きながら目覚めたことを伝えた。

家族が周りに居るであろう彼女からも、泣いているとLINEが届く。

昨晩で会うのは終わりにするはずだった。
だから会う約束はしていなかったが、10分でも良いから会おうと、どちらからともなく言い出す。

時間を決めて、彼女の所へ行った。
近くの薄暗い人気のない駐車場に車を停めた。
そして直ぐに抱き合った。

この数日、散々泣いたはずなのにお互い嗚咽が出るほど抱き合いながら泣いた。こんなに誰かの前で泣いたのは生まれて初めてだ。

身体が引きちぎられそうな痛みが、心を締め付けなから心につき刺さる。

しかし感傷に浸る時間はないのは充分に分かっていた。破滅的なイメージから2人で脱出しないといけないと思い、頭を必死に切り替えようとした。

泣くのを我慢して、お互いに距離感をどう捉えるかを話し合った。
そして気分が落ち着く解釈を何とか発見し、深呼吸して気持ちを整理していく。

話し始めてほんの数分だった。
以前から思っていた特性がここでも発揮された。
2人で話し合うと、話も解釈もピッタリ噛み合うので、尋常ではない速さで話が進んでいく。

こういう経験は1度や2度ではない。
この現象はツインレイならではなのかも知れない。

落ち着きが出て、久々に発揮したツインレイの相乗効果に、2人して笑顔になった。

もう時間だ。

最後に自分から提案した。
明日の夜、引越し後に泊まるホテル近くに行って良いかと。。。

少し戸惑いもあったが、彼女から了解をもらって急いで彼女を送った。

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