未来を変える

サク

未来を変えるために新たな仕事を始めることにした。

アオと知り合う前に昔の仲間から仕事を誘われていたのだが、すぐには返事をせずにいた。

僕は10年前とある業界での最前線で働いていた。
会社が倒産寸前のところで中核業務をバトンタッチされた。
業績不振があと半年続けば、恐らく会社は潰れていただろう。

必死に頑張って半年後は黒字通過し、2年後には過去最高の売上と利益を産むまでに回復させ、業界でちょっと騒がれた。
景気の良い会社に一変し、様々な取引先が訪ねて来るようになり、沢山の人と出会った。

誘ってくれたのは、その頃仲良くなった地元に近い会社の人だった。
業界を離れる際も最後まで心配してくれて、本当にウマが合う人だった。

両親の介護のために地元に戻って10年。
その間に両親とも天命を迎え旅立って行った。
残ったのは両親から継いだ家業だけだった。

最初に誘われた時、昔の業界に戻りたい思いもあったが、どうしても踏ん切りが付かなかった。
理由はめちゃくちゃ大変になるからだ。

2つの仕事を掛け持ちするには、現業を部分的にでも人に任せないと時間的に難しい。
そうするためには家業の規模を大きくした方がスムーズなので、そこに向かうよう意識していた。

しかしコロナが邪魔して、事は進まず時間だけが過ぎていく。
そんな状態で新たな挑戦は出来ないと諦めかけていた。

それからアオとの出会いがあり、僕の未来に対する考え方は大きく変わった。
手に入れたい未来を創り出すためのエネルギーが、自然と湧いてくるようになった。

ずっと悩んでいたのがバカバカしく思えてきた。
考えてばかりで全く行動が出来ていなかったことに気がついた。

友人に改めて連絡をした。
今からでもやれるだろうかと。
既に友人は僕が出来そうな担当部署からは外れていたが、現在の担当者に取り次いでくれた。有難いことに僕の負担を考えてか、任せる規模を小さくするよう取り計らってくれた。

それでも仕事を掛け持ちするのは物理的に大変だが、そんなこと言ってる場合ではない。
新しい仕事をする事で、僕は自由を手に入れる。
未来を変えるために今出来る事をやるだけだ。

僕とアオは果たしてツインレイなのだろうか?

昔は無理だと思っていた事を無理とは思わなくなってきた。
捉え方の問題だけではなく、現実が2人の未来に力を貸してくれているようにさえ思える。

何年も放置した仕事の依頼を快諾してもらえたり、仕事のサイズを無理なく合わせてもらえたり。
ビックリするほどスムーズに事が運んでいく。

ツインレイは様々な障害があると聞くが、確かにそうだと思う。
かたやツインレイは大いなる存在の後押しが起こるとも聞く。
それも本当かもしれない、と頷けてしまう。

未来を変えるのは大変だ。
大変だからこそ、変わらない人がほとんどなんだと思う。
一歩踏み出す勇気は、それほど簡単に出せるものではない。

僕をそんな気にさせたのはアオの存在であることは間違いない。
どんなに大変でも、惹き合う力には抗えない。

もう僕は普通に老いるだけの未来は捨てる。
思い描く未来に近づくために生きていく。

正直20歳くらいに戻った気分なのだ。
精神的にも肉体的にも若返った気がする。
この際、生年月日も捨ててしまおうかと思っている。

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