そして当日。
会ってみて、特に何も感じませんでした。
ただすごく緊張しました。
年上の男性は恋愛対象外だと思っていましたし。
自分の気持ちが何か変わっていくのかどうかにも興味がありました。
簡単にお茶をした後ホテルに向かいました。
ラブホテルなんて10年以上振り。
初対面の男性と、いきなり裸。
しかも結構な年上。
自分の反応に想像がつかない。
しかし実際に肌が触れた時、物凄く不思議な懐かしい感覚になりました。
肌が合う、という表現ではおさまらない馴染み方。
密着すると自分と相手の境界線がわからなくなる。
溶けて漂うような陶酔感。
「肌が…合いますよね?」と彼に聞くと「合うなんてもんじゃない、合い過ぎる」と彼は動揺を抑えられない様子で応えました。
実際に彼はセックスがきめ細やかで慣れてました。
でも途中、対面座位で抱き合っている時に動けなくなりました。
抱っこの形で揺れているのがあまりに心地好くて、セックスは先に進まず、ただただ抱き合っていました。
お母さんに抱っこされてる赤ちゃんみたいな気分でした。
気付いたら、とんでもなく長い時間が経っていて。
慌てて帰りました。
そして再び、朝から晩まで飽きずにLINE。
実際に会ってみて、容姿がどうの服装がどうのは全然目に入らなくて。
最初から私にはジャッジするつもりがなかったらしくて。
元々、顔で選ばないし好みのタイプもないし。
彼の存在そのものが特別で。
自分にとって必要な人、という確信だけがありました。
引越しは3ヶ月後。
出来るだけ会おう、と話をして急遽、翌日も会う事に。
人に話したらビックリすると思います。
私達は初日から3ヶ月、ほぼ毎日会っていました。
3日空く事はなく、隙間時間を見つけては会い続けました。
何度会っても何度やっても飽きないどころか、もっと大切になる。
かけがえのない存在。
唯一無二の存在。
この人さえいたら幸せ。
会って3日後には、そんな風に感じていました。
とは言え、恋愛に溺れる感じではなく。
恋愛感情の枠に収まらない感じ。
もっと奥行きがあって、深い。
奥さんに嫉妬しないし奪いたいなんて思わない。
お互い、子どもの話をするし、相手の子どもが可愛いと思う。
ただ存在してくれている事が幸せ。
出会えた事が喜び。
触れているだけで幸せ。
一緒にいると呼吸が深く楽になる。
肺にたくさん酸素が入るのがわかる。
くっついた瞬間に力が抜けて全身が弛緩してしまう。
思考が停止して、ただただ平和で安らかな波に漂ってしまう。
くっつくと自分と彼の肉体が溶けて重なっているような感覚がする。
こんなに何もかもが合うのはおかしい。
私達は一体何なのだろう?
この関係を誰かに説明して欲しい。