アオの限界

サク

彼女は嫉妬に苦しんでた。

僕が具合の悪い妻を気遣って、家事を引き受けているのに嫉妬を抱いていることは、聞く前から何となく雰囲気で分かっていた。

妻をフォローするのはこの日だけではなく日常的なこと。ただ、この日は特に仕事も忙しくした上でそういう流れになったのが辛くて、それを愚痴った。今回の嫉妬の原因は、僕のそういうネガティブなエネルギーから始まったのかもしれない。

2人とも再会してから1ヶ月後くらいで気持ちが限界を超えてしまい、色々なことを勃発させる傾向がある。
そういう時期が来ることが分かっていても、簡単に避けきれるものではない。今回もそれが来てしまった。

日々どれだけ励ましあっていても、超える時は超えてしまう。人間だから仕方がないと思う。
むしろそういう弱さがあることが、人らしくて好きだ。

完璧な人間ほど愛想に欠けるものだし、弱さをしっかり見せるアオは、本質的にはものすごい強さを持つ希少な女性だと知っている。
だから苦しんでも自分で立ち上がる。
余計なお世話は嫌われるだけなのも知っている。

苦しさから助けて欲しい訳ではない。
甘い言葉で誤魔化して欲しい訳でもない。
弱さと向き合い、そこから成長したい。
純粋に自らの変化を望んでいる。
彼女はそういう人だと知っているし、気持ちもよく分かる。
何故ならそこが僕とよく似ているからだ。

普段は頻繁にLINEで会話をするが、こういう時はほとんど話さない。
以前は励まそうと試みたりしたが、かえって逆効果なのも経験済みだった。
最低限の言葉で、僕は僕の在り方だけを送る。
僕はこうだ!と。

彼女の気持ちが分かっていても、例えツインレイの存在だとしても、彼女の気持ちを僕はなぞらないし、決めつけたりしない。そんな安っぽい気遣いはかえって彼女を傷つける。これは僕自身がそう思うから、きっとそう感じるに違いないと思うからだ。

そうこうしていた2日後、唐突に彼女からLINEが数件送られてきた。
開く前の通知には「早く見て!!」と書いてあるのが見えた。催促なんて珍しいことだ。

直ぐに確認してみると、僕が夢に出てきて、その中で触れ合っていたら、いきなりエネルギーがチャージされたと書かれていた。

僕は、調子が悪い時には、何か彼女のためになることをしたいと、レイキを送ったり、光で包むワークをしたりして、伝わっても伝わらなくても気にせず、ひたすら送っている。

そんなエネルギーを夢の中で受け取ったのかもしれない。違うかもしれないが、とにかく彼女は突如元気になっていた。
つい朝までどんよりしていた僕の中の彼女のイメージが、だんだん輝きを増していく感じがした。

彼女の感情の振り幅はとても大きい。
それは彼女はいつも本気だし真剣に生きているからだ。
彼女は真剣に人生を楽しみたいと心から願っているし、そうあるように生きている。
だからこそ、弱る時は人一倍弱るし、嬉しい時は人一倍喜ぶ。

僕は彼女をコントロールしようとせず、ただそのままを愛したいし、僕もありのままでそれを受け入れたいと思う。そこに残るのが本当の愛だろうから。
ネガティブな時もこんな学びもあると気がつく。

全ては愛でしか解決しない。
心からそう思う。
これからも愛で問題を乗り越えて行きたい。

タイトルとURLをコピーしました